健康の話 2022年7月                身体がだるい、疲れた、どうして、どうすればいいの?

皆さんは、時々、「だるい、しいんどい、疲れた」と感ずることがあり、”なぜだろうか、どうすれば良くなるだろうか”と思うことがありますが、下記をご参考にして頂き日常生活において対応して頂きたく存じます。                  1.「だるい、しんどい、疲れた」と感ずる原因は何だろうか  ・頭や気を使い精神的ストレスが重なった時                     ・運動や労働で肉体的ストレスが重なった時                     ・体に病的な異常がある時 これら3つの原因によって、「やる気の欠如、発熱、痛み」が現れます。これは「これ以上頭や気を遣う仕事や運動・労働を続けると体に害が及びますよ。早く病院に行きなさい。」という人間の生態におけるアラーム(警告)で、「三大生体アラーム」と言われています。 詳しく説明しますと、 ・精神的ストレスの場合、頭や気を使う仕事を行うと、集中や計画、意思決定、洞察、判断、想起などを担う脳の前頭葉「前頭前野」の神経細胞(脳細胞)が活発に働きますが、その為のエネルギーは、細胞内の小器官である「ミトコンドリア」がヘモグロビンが運んでくる酸素を使って脂質、糖質をエネルギーに変換する(代謝する)ことによって、産出されます。同時に、この産出の過程で酸素の約2%が「活性酸素」(不安定で反応力がきわめて強い、活性状態の酸素イオン)になります。その一部は免疫性の向上に役立ちますが、過剰な「活性酸素」は細胞を構成する養素から電子を奪い固定化(酸化)します(傷つけます)。体内には、過剰な「活性酸素」の発生抑制・除去を行う「酵素」や「抗酸化物質」による抗酸化防御システムが備わっていますが、過度に頭や気を使ったりして過剰に「活性酸素」が産出されますと防御システムが追い付かず、脳細胞が傷ついたままになり、その状況を察知した免疫細胞が炎症反応を起こします。  この炎症反応が脳細胞内で起きると「だるい、しんどい、疲れた」と感じ、倦怠感、  意欲低下が現れます。 ・肉体的ストレスの場合、上記の精神的ストレスの場合と同様に、過度な運動・労働を行うと、筋肉細胞内の「ミトコンドリア」はその為のエネルギーを産出すると同時に「活性酸素」を過剰に産出し、その「活性酸素」により炎症反応が起こり、筋肉に発熱や筋肉痛が発生し、倦怠感、意欲低下が現れます。 ・精神的ストレス、肉体的ストレス以外で体に病的異常を感ずる場合は、内臓等に疾病があったり、菌やウイルスに感染したりしていることによる倦怠感、意欲低下ですので、この場合は、遅滞なく病院に行き治療を行うことです。 以上から、病気にかかった場合を除き、「だるい、しんどい、疲れた」と感じ倦怠感、意欲低下が現れるのは、脳あるいは筋肉を構成する細胞内で「ミトコンドリア」がエネルギーを産出する過程で発生する過剰な「活性酸素」によって炎症反応が起こるからであることがお分かり頂けたと思います。 更に、この「活性酸素」は、下記の外的原因によって増加することに留意して下さい 赤外線                                      農薬                                      大気汚染                                    電磁波                                    タバコ                                    アルコール                                  不規則な生活

.では、どうすれば細胞内での「活性酸素」による炎症反応を防ぐことができるだろうか? 1)「ミトコンドリア」が行う酸素と脂質、糖質によるエネルギー産出活動を活性化し、副産物である「活性酸素」の発生を少なくすること              2)「酵素」や「抗酸化物質」は「活性酸素」の発生抑制・除去に役立つので、食事により積極的にこれ等を摂取すること                       3)外的原因については、日常生活において回避・減少・取り止めることに努めること具体的に解説しますと、 1)「ミトコンドリア」を活性化させるのは「コインザムQ10」と言う栄養素で、それは体内で合成されますが、十分ではないので、食事で補うことが必要です        それを含む食品は、イワシ・ハマチ等青魚の刺身、豚肉、牛肉、卵、オリーブオイル、ブロッコリー等です                              ただ、これらの食品を、ビタミンやミネラルを含む食品、即ち、野菜・果物、蠣、豚レバー、牛赤身肉、小麦胚芽、ナッツ、タケノコ、卵等と一緒に取ることによって「コインザムQ10」の吸収が促進され、「ミトコンドリア」がより活性化しますので、食べ合わせについても常に留意すべきです 2)「酵素」はたんぱく質の一種で、「活性酸素」と反応し消化、吸収、代謝、排せつを促進する役割を担っています。言い換えれば、「酵素」は「活性酸素」を減らすことに役立っています。「酵素」は体内でも産出されますが、不十分なので食事で摂取する必要があります                                  「酵素」を含む食品は、新鮮な野菜・果物、及び納豆・味噌、ヨーグルト、バッター、チーズ、キムチ等ものです、 また、「活性酸素」を取り除き酸化を抑える「抗酸化物質」を多く含む食品(抗酸化物質)としては、ブドウ(アントシアニン)、大豆(イソフラボン)、ゴマ(リグナン)、トマト(リコピン)、スイカ(リコピン)等です                  従って、これ等食品も計画的に摂取するように努めるべきです 3)外的原因については、日常生活において注意して避けたり、減らしたり、取り止めたりすることによって、不要に活性酸素を増やさないようにすることが出来ます   2019年3月6日付「健康の話」で、私たちの体の最小単位は細胞で、約270種類、  約60兆個あり、脳や筋肉、内臓など全てはそれぞれの役割を有する細胞の塊なので、健康は “「細胞」が喜ぶ生活をすること” であると申し上げましたが、今回の説明によって、ご理解いただけたと思いますが、“「細胞」が喜ぶ生活”とは、“「細胞」の活動の エネルギーの供給を担う「ミトコンドリア」が喜ぶ生活”(即ち、“「ミトコンドリア」が活性化する生活”)、と言い換えることが出来ます。

“「ミトコンドリア」が喜ぶ生活」”、即ち、“「ミトコンドリア」が活性化する生活”によって、倦怠感、意欲低下を防ぎ、または回復することが出来ますが、そのような生活を可能にするための方法は次のようにまとめることが出来ます。 1)先ず、毎日食べる食品については含まれる栄養素を良く知った上で、計画的に、バランス良く食べること、また、食品の食べ合わせについても留意すること。 2)次に、「やる気の欠如、発熱、痛み」がある時は、休息すること、また、体に病的異常がある時は、病院へ行くこと。 3)合わせて、神経細胞の塊である自律神経がバランス良く活動を行いうる生活環境として、適度な運動を行ない、十分な睡眠を取り、規則的な生活を行うように努めることも忘れないようにして頂きたいと思います。

最後に、「三大生体アラーム(やる気の欠如、発熱、痛み)」について正しく理解し、日常生活においてそれを生かし、適切に対応することによって、より豊かな生活を送られますよう願っています。

文  責 :高橋 昭浩(当法人職員、健康管理士上級指導員/日本成人病予防協会) 参考書類:「ほすぴ」(日本成人病予防協会発行)、公開資料